カラーリング
@ではカラーリングに入ります。今回は定番の「Cosmos」を例に紹介します。まずはカップ部分に調合したレッドを吹きます。ちなみに、カラーリングに使用する塗料は、車の板金塗装にも使用されている塗料で、発色が良く、耐候性、耐久性に優れています。
A次に、腹のエグレ部分に、これも調合したライトグリーンをベタ塗りします。ちなみに、使用するカラーは黒・白・赤(マゼンタ)・黄・青(シアン)の5色を調色して作ってますが、調色はあまり得意ではなくて、なかなか思った通りの色を作れません。まぁここらへんはもっと経験が必要でしょう。
B乾燥させます。ベタ塗りと言っても、その時々の気温・湿度により、使うシンナー(乾燥が遅い⇔早い)を使い分けたり、ガンの吹き方を調節したりしないと、なかなかキレイな塗装面は得られません。
Cカップ部と腹にマスキングをしてから、ボディにホワイトを吹きます。この後、花柄を乗せていく場所だけに、塗装面の状態には特に気を使います。
Dカラーリングに使用するブラシです(どちらもオリンポス製。口径0.3mm)。右のトリガー式は割と広い面を塗る時に使用しますが、自分の場合、あんまり出番はなくて、左のダブルアクションタイプ一本でほとんどのカラーリングをやってしまいます。ダブルアクションタイプは長時間使ってると指が痛くなるのが欠点ですが、花柄や唐草模様などの繊細なタッチが必要なカラーリングは、やはりこれでないと吹けません。
Eまずはアイサークルを入れます。たかがアイサークルですが、「ルアーは目が命」。この部分にはかなりこだわっています。テンプレートを使ったような極力短いボケ足(グラデーションの幅)の円を表現していきます。
Fアイサークルになっていく様子です(左→右)。濃い塗料をサッと一吹きするのではなく、ブラシで円を描きながら、薄い色を何度も何度も塗り重ねて濃い発色の真円にしていきます。勿論、アイサークルひとつ塗るだけでもかなり時間が掛かります。
G画像左が濃い塗料を使って遠目からサッと一吹きして塗ったアイサークルです。キレイな円になってないうえに、目で確認できる大きさのミスト(塗料の粒)が広い範囲に飛び散ってしまってます(画像ではわかりにくいかもしれませんが…)。一方、右が薄い塗料を何度も何度も塗り重ねたアイサークルです。同じアイサークルでも表情が全く違ってきます。釣果には全く関係のない部分ですが、アイサークルやスポットの吹き方で、製作者のそのルアーへのこだわり具合が判断できると考えます。
H花柄を吹いていきます。まずは調色したピンクで、一本の線を吹きます。アイサークルと同じく、かなり薄めた塗料を何度も吹いて徐々に色を乗せていきます。線の両端位置で一瞬ブラシを止めて、両端が若干太くなるようにします。
I同じ要領で、先ほど吹いた線とクロスさせるようにもう一本線を吹きます。
J更に、線を「米」の字型にクロスさせて花の形にします。
Kピンクの花を適当に何個か吹きます。ちなみに、このコスモスカラーは特に決まったレイアウトはないので、花の数や配置などは全てその場のアドリブです。従って、同じ絵柄は存在しません(唐草パターンも同様)。
Lピンクで花を吹き終えたら、次は色をオレンジに変えます。オレンジで花を吹くのと同時に、先ほど吹いたピンクの花の中心にオレンジでスポットを入れます。
Mバイオレットに色を変えて、今までと同じ様に花を吹きます。
N更に色を変えて、空いたスペースにレッドの花を吹きます。と同時にオレンジの花の中心にレッドでスポットを吹きます。全てのスペースが埋まったら、イエローでバイオレットとレッドの花の中心にスポットを吹きます。これでようやくコスモスカラーの完成です。
O説明するとアッと言う間ですが、勿論、かなり時間が掛かります。丸一日掛けて塗っても←しか上がりません。プッシュボタンを押す指もカチカチになります。ブランク製作の項でも書きましたが、非効率極まりない事ばっかりやってます…。


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