便座蛙の進化の過程を紹介します。


2000年1月某日  デザイン・コンセプトを思い付いた時に営業手帳に描いたデッサンです。確か営業活動中にドトールコーヒーで描いたような記憶があります(笑)
今だから言いますが、営業手帳の巻末の方にはこんな感じでハンドメのネタがいっぱい描かれてあります。当時の課長、スンマセン!
 一番最初に思い付いたカタチは全く「便座」そのものです。その後、マイチェンを繰り返す度に変わっていきましたが、股の間から針を出すという発想はこの時から変わっていないことがわかります。「ベンザフロッグ」というネーミングはこの時決定しました。


2000年1月  上のデッサンを元に実際にカタチにしてみたのがこのプロト第一号です(当時はまだ非公開でした)。
とりあえずはカタチを決めたかっただけなので、耐久性などは考えていないため、バルサを削ってヒートンを埋め込んだだけの構造になっています。一応はウェイトも埋め込んだんですが、余りの扁平ボディのため、一度ひっくり返ると元に戻らないという決定的な欠点を持っていました。


2000年2月  プロト第一号を作成後、実際にどうやって作成するか色々と考えた結果、アルミ管を挟みこんだ上下バルサの貼り合わせで作る方法を思い付きました。
 当HPでのベンザフロッグの初公開画像がこれです。まだ下半身の姿カタチは明らかにされていないうえ、名前もまだ公表していなかったので「謎のカエル」と便宜的に命名していました。
 ちなみにカエルを作るまではほとんどリアル系しか作っておらず、ペイントモデルの経験がほとんど無かった為、カラーリングに関してはわからないことだらけでした。


2000年3月  2000年春に開催された「渓’s Brand」主催の「ハンドメイドルアーフェスティバル」に出品するのと同時に当HPにて全体画像を公開しました。まだ試行錯誤の段階だったので、3種類ともビミョーにデザインやウェイトが異なっています。真ん中のカエルを出品したのですが、お蔭様で入賞することができました。その後、製作活動をする際の大きな励みになりました。


2000年6月  もちろんフィールドテストも頻繁に行いました。左のカエルが初バスをゲットしたプロトルアーです。しかし釣れこそしたものの、正直この頃のカエルはまだまだ扱いずらいカエルでした。その後徐々に形を変えていくことになります。傾向としては頭が丸く、ボディがファットになっていきます。


2000年6月  ベンザフロッグで初バスを釣ったのと同時期にはこんなものも作っていました。ほんのお遊びのつもりだったんですが、案外ウケがいいので、結局その後オーダーに出されることになりました。
 現行型と較べると、鼻先がほっそりしているのがわかります。
ちなみにカラー名は上が「ハツカネズミ」で、下が「ねずみ色」です。「ハツカネズミ」は友人がフィールドテスト中に木の上に逃げてしまい、今は手元にありません。


2000年8月  ようやく構造の大部分が決定して、カラーリングに懲り始めたのがこの頃です。左は今の「Blue Hawaii」の元となった「Lemonede」。右はドイツ国旗をイメージしたその名も「German Frog」です。


2000年10月   改良・テストを繰り返してようやく性能的に納得できるカタチになったのがこのモデルです。このモデルの完成後、第一回オーダーを実施しました。結果数十個のカエルが世に出ました。


2001年1月  第一回オーダー分のリリース終了後、更に多くの作品を作成していったのですが、数多く作っているうちに、まだまだ改良点が残されていたことに気付いてしまいました。結局その事に納得がいかず、第一回オーダー分全てについてリコールを実施しました。その際リコール分として作成したのがこのモデルです。画像ではわかりにくいですがカラーリングや造形など細かい部分の完成度がアップしています。


2001年2月  たまには脱線したモノも作ってみたりしました。その結果「ベンザ」ファミリーが増殖してしまいました。


2001年3月  オーダーの再開を目指して膨大な数のプロトモデルを作成しているうちにどうしても気になったのが「強度」でした。試行錯誤の結果、ついにバルサからジェルトンに変更することになりました。初のフルモデルチェンジと言えます。
 また構造的にどうしても強度を出すのが困難だった足部分の内側にオリジナルの真鍮金具を装着することにより、飛躍的に強度をアップすることができました。


2001年7月  オーダー再開後も細かい部分でのマイナーチェンジを行いました。主な改善点を列挙していくと…

・トップコートをより耐久性のあるものに変更
・金具の形状を変更することにより、足先の衝突時のダメージを軽減
・金具取付けビスを腐食に強い材質に変更
・フックポイントを2mm下げることにより、フッキング性能を向上
・防水性能の向上


2001年8月  誕生以来、装着するフックに関してはずっと「シングルフック一本」を貫いてきましたが、新たにフッキングアップを図るため腹部にダブルフックを装着した仕様をラインナップに加えました。自分としては、従来の「針一本」というシンプルさ、潔さをウリにしていきたい気持ちもあったのですが、「より釣果の望めるモノ」を求める世のニーズに対応していくべきだとの判断をしました。
(※その後、フッキング仕様は廃止となりました)


2001年11月  フッキング率のアップを図って色々と試行錯誤をした結果、#3/0のダブルフックを標準装備することになりました。フッキング仕様(↑)よりも、デザイン的にスッキリしたものになりました。 


2003年4月  若干サイズダウンしました(それに伴いBenzaFrog Jr.を生産中止としました)。その他、ウェイト位置、フック位置の見直しや、フックのバーブレス化、製作方法の変更など、細かい点で修正を加えました。